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重症型原発性アルドステロン症の診療の質向上に資するエビデンス構築

目的
 多数の患者さんの診療情報を収集・解析することにより、原発性アルドステロン症の診療水準向上に役立つ新たな検査法、判断法、治療法を確立すること

当院では、公的な研究費(日本医療研究開発機構研究費 難治性疾患実用化研究事業)により全国の多数の主要な大学や病院(下記ご参照下さい)と共同して、原発性アルドステロン症の診療水準を向上するための研究を行っています。このため原発性アルドステロン症の患者様に研究へのご協力をお願い申し上げます。

 

*研究組織:京都医療センター、慶應義塾大学、東京医科歯科大学、群馬大学、金沢大学、京都大学、大阪大学、大分大学、福岡大学、聖マリアンナ医科大学、国立国際医療研究センター、東京大学、済生会横浜市東部病院、市立札幌病院、熊本大学、国立病院機構 九州医療センター 、松山赤十字病院、広島鉄道病院、明石医療センター、三田市民病院、福島県立医科大学、済生会富田林病院

 

【ご協力いただきたいこと】
● 対象となる患者様:2006年1月から2014年12月までに当院で原発性アルドステロン症と診断され、副腎静脈サンプリング検査を受けられた方。または2017年4月以降に原発性アルドステロン症と診断される方。
● 利用させて頂く診療情報:原発性アルドステロン症の診断のために実施された検査(血液、尿検査、負荷試験、心電図、レントゲン、CTスキャン、治療内容と経過。治療のため手術を受けられた患者さんは、摘出した臓器の一部)。これらの検査や治療はすべて学会のガイドラインに沿って、通常の診療の一貫として実施されたものです。

 

【ご協力にあたりご理解いただきたいこと】
● 患者様個人にお電話などで直接問い合わせることはありません。研究は、患者様の診断・治療のために実施された検査結果などをまとめて解析・検討することにより行います。
● 患者様の個人情報は厳重に管理します。本研究の結果は、解析後に学術論文や学会発表で公表することがありますが、「カルテ番号、氏名、住所、電話番号」など、個人を特定できるような情報は完全に保護(匿名化)され、公表されることはありません。
● 同意されなくても診療上の不利益が生じることは一切ありません。
● 本研究は日本医療研究開発機構研究費を用いて行われ,患者さんの費用負担はありません。(研究課題名:重症型原発性アルドステロン症の診療の質向上に資するエビデンス構築、研究課題番号:122、研究費名称:日本医療研究開発機構研究費(難治性疾患実用化研究事業))
● 本研究は特定の営利に関わるものでなく、利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。また既に実施された検査の結果を使用しますので費用を負担していただくことはありませんし、健康被害が及ぶ可能性はなく補償ならびに賠償は行いません。
● 本研究は大分大学の倫理委員会の審査を受け承認されています。
● この研究に関するご質問がある場合、本研究への参加を辞退されたい場合は下記までご連絡ください。

 

 

研究責任者 
大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座 柴田洋孝
〒879-5593  由布市挟間町医大ケ丘1-1
大分大学医学部附属病院 内分泌糖尿病内科
Tel: 097-586-5792

 

副腎腫瘍組織におけるステロイド分画とその調節因子の検討に関する研究

しばらくお待ちください。

高血圧症における睡眠時無呼吸症候群の有病率調査

研究課題名:
高血圧症における睡眠時無呼吸症候群の有病率調査に関する研究

 

対象患者:
20歳以上の新規発症あるいは現在治療中の高血圧症患者

 

研究目的:
本研究は、日本高血圧学会の内分泌性高血圧作業部会の研究として、高血圧症における睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome、以下SASと略す)合併の有無を調査し、本邦における高血圧症患者のSASの有病率を明らかにすることを目的とする。
高血圧症、中でも治療抵抗性高血圧症例においては、SASを合併する頻度が高いことが報告され(Hypertension 2011; 58: 811-817)、SASに対する治療介入が治療抵抗性高血圧の新たな治療アプローチとして注目されている。一般に、SASの多くは閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)であり、肥満症を背景としていることが多い。その一方で、睡眠に関連する自覚症状を伴わない無症候性のSASは、積極的なスクリーニング検査を行わなければ診断に至ることはなく、高血圧症の背景に潜んでいると考えられる無症候性SASの頻度を明らかにすることが、本研究の主な狙いである。

 

研究内容:
本研究のデザインは時間横断的観察研究である。新規発症あるいは現在治療中の高血圧症患者の中で、本研究への協力に同意が得られた者に対し、type3またはtype4カテゴリーのSAS簡易検査法を用いて、AHI(Apnea Hypoxia Index)を測定する。症候性・無症候性の評価を行うため、ESS(Epworth Sleepiness Score)スコアシートの記入、および身長・体重測定(BMI算出)を行う。また、二次性高血圧症の評価のため、採血・尿検査にて腎機能や内分泌パラメーターの測定も行う。他の二次性高血圧症とSASのオーバーラップ、あるいは相互関連性についても、新たな知見が得られることが期待される。SASの診断は、最新の睡眠学会基準を用いて行う。3%の酸素飽和度の低下がみられた場合を有意な低下として無呼吸・低呼吸イベントを定義し(3%ODI)、症候性の場合はAHI≧5を、無症候性の場合はAHI≧15をSASと診断する。SASの有病率の算出は、高血圧症全体に占めるSASの頻度に加え、本態性・二次性別、また症候性・無症候性別などに分けての算出も行う。

 

アルドステロン測定の標準化

研究課題名:
アルドステロン測定の標準化

 

対象患者:
原発性アルドステロン症(PA)症例

 

研究目的:
血中、尿中アルドステロン値に異常を示す原発性アルドステロン症、腎血管性高血圧、続発性アルドステロン症、選択的アルドステロン欠損症などの内分泌疾患に罹患されている患者は、本邦で200〜400万人と推定される。このような疾患を的確に診断治療するためには、低アルドステロン症の末梢血と、原発性アルドステロン症の副腎静脈血中まで幅広いアルドステロン濃度の測定が必要で、例えば20pg/ml〜400,000pg/mlにわたる正確なアルドステロン測定が要求される。
 一方、現在日本国内でのアルドステロンの測定は、ほぼ全てがテイエフビー社(一部で三菱化学メディエンス)のRIAキットにより行われている。現在non RIA(ELISA)アルドステロン測定キットがコスミックコーポレーション、協和メデックス㈱,和光純薬工業㈱の3社で開発中であるもアルドステロンの統一された標準物質がないため、その測定値設定は開発各社が独自で行うこととなり、今後これら測定キットが認可発売された場合、キット間でのアルドステロン測定値の誤差の生じる可能性がある。
そこで、開発中のアルドステロン測定キットが認可、発売される以前に、各キットによるアルドステロン測定の標準化を行い、この測定法を日本国内で普及させることが必要である。この標準化作業のため横浜労災病院でアルドステロン測定の標準化研究が行われることとなり、全国多施設で症例収集を行うこととなった。当院はその施設に選定されている。
 既存並びに開発中のアルドステロン測定キット間の、測定値変動ないし誤差を最小限にすることを目的とする。

 

研究内容:
当院で研究に同意を得られた原発性アルドステロン症患者の、診断治療の際に行われる静脈採血、副腎静脈サンプリングで得られた血液検体の一部(末梢静脈血10mL, 副腎静脈血5mL)を用いて、横浜労災病院でアルドステロンの測定が行われる。下記の手順でアルドステロン測定の標準化を行う。


1) 高純度標準物質の選定。
2) 血清標準物質候補品の調整と値付け。
3) 各測定キットによる血清標準物質候補品中アルドステロン濃度測定と互換性の検証。
4) 各測定キットによる臨床検体の測定による日常検査法での測定値の許容幅の設定。
5) 標準物質の利用の推進と技能試験の実施。
6) 互換性評価結果をもとにJCTLM(臨床検査の標準化に関する国際登録機関)への登録。

 

肥満治療前後での肝腎機能、血圧や糖脂質代謝関連ペプチド及び腸内環境の変化

研究課題名:
肥満治療前後での肝腎機能、血圧や糖脂質代謝関連ペプチド及び腸内環境の変化に関する研究

 

対象患者:
年齢が20歳以上65歳未満の肥満患者(BMI≧25.0 kg/m2)

 

研究目的:
肥満症を基盤として高血圧、耐糖能異常、脂質異常が合併するメタボリックシンドロームの罹患者は近年増加を続けており、この段階で病態の改善を認めないと、慢性腎臓病、虚血性心疾患、脳血管疾患などの心血管病や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)をきたす。これまで我々は、肥満に対する臨床・研究に関して日本をリードしてきた実績がある。内科的治療として、患者の食行動の制御を目的とした行動療法、外科的治療として、本年保険診療として認められていたスリーブ状胃切除術というように、内科と外科が一体となった集学的治療が本院で行われている。
肥満症患者数は今後も増加することが予想されており、上記のような治療のみでは限界となる可能性がある。したがって、内科的もしくは外科的肥満加療を行う前後での肝腎機能や血圧・糖脂質代謝関連ペプチドおよび腸内環境にどのような変化がみられるのかを検証し、変化のみられたマーカーを制御することにより、新しい肥満症治療の確率を目指すことを目的とする。

 

研究内容:
内科的もしくは外科的治療前後で、採血、採尿便、非観血的な体脂肪などの体成分分析や腹部エコー検査および、便を用いた腸内環境の解析を行う。評価項目としては、身長、体重、腹囲、血圧、血算、生化学検査、血中および尿中の肝腎機能や血圧・糖脂質代謝に関連するホルモン・ペプチドを測定する。また、体成分分析では体脂肪や筋肉量といった体組成を評価し、腹部エコーでは肝臓、腎臓、脾臓や内臓脂肪及び皮下脂肪の評価を行う。腸内環境については、T-RFLP (terminal restriction fragment length polymorphism)法を用いた腸内細菌叢の分布で検討する。
外科的治療を受けた際には、内臓脂肪を一部摘出し、mRNAおよび蛋白質を調整し、肝腎機能や糖脂質代謝関連因子の発現レベルをPCR法、Western blotting法および免疫組織化学法により解析し、因子の発現レベルとBMI[体重kg÷(身長m)2]値との相関関係について検討する。

 

副腎疾患におけるホルモン産生異常とその病因の検討

研究課題名:
副腎疾患におけるホルモン産生異常とその病因の検討

 

対象患者:
副腎腫瘍(偶発腫瘍を含む)患者、アルドステロン/レニン比でスクリーニングされた原発性アルドステロン症疑いの高血圧患者

 

研究目的:
近年、副腎腫瘍は原因の明らかな二次性高血圧症の主要な原因疾患となっている。ホルモン産生異常を呈する原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫などは、副腎摘出術が治療法とされているが、最近ではホルモン産生異常を示さない副腎偶発腫瘍の発見頻度が増えている。この診断・治療法は現在確定したものはなく、将来の悪性化なども不明である。本研究ではこれらの副腎腫瘍の病因となる遺伝子や遺伝子産物を明らかにすることにより、将来的な内科的診断・治療の確立を目的とする。

 

研究内容:
1)当院で内科的精査・治療をうける場合:
通常診療で行う採血(副腎静脈血を含む)、採尿の残余検体を、当研究室の-80℃冷凍庫内に検体組織を番号化した上で保存する。CT画像検査の結果も番号化したデータとして当講座研究室で保存管理する。評価項目としては、副腎ステロイドホルモンやその分画、その他下垂体ホルモンなどの内分泌学的測定を行う。また、腹部CTで腫瘍の大きさやCT値などの評価を行う。


2)当院で外科的治療をうける場合:
外科的治療を受けた際には、当院手術室で切除した副腎組織のうち一部(100mg程度)を保存検体用として当研究室の-80℃冷凍庫内に検体組織を番号化した上で保存する。その保存組織検体から遺伝子DNA、mRNAおよび蛋白質を調整し、腎機能や糖脂質代謝関連因子の発現レベルをNorthern blotあるいはRT-PCR法、Western blot、免疫組織科学により解析する。

 

 

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