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各診療グループのご案内

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内分泌糖尿病内科

 

■診療科の紹介

 

近年、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった代謝異常が多数合併するメタボリックシンドロームの患者さんが急増しています。このような生活習慣病は肥満を発症母体としていますが、一方で、糖尿病、脂質異常症、高血圧などはホルモンの病気(内分泌疾患)の特徴的所見でもあります。我々の診療科は、糖尿病、高血圧を中心とした生活習慣病、内分泌疾患、ならびに肥満症などの病気を担当しています。また、神経性食欲不振症などの摂食障害、ストレスによる過食が背景にある肥満症など、心理的要因が行動や身体に悪影響を及ぼしている患者が増加しています。当科では、このような心身症の治療に対しても、積極的に取り組んでいます。


 

■特に専門性が高い医療

 

1. 内分泌性高血圧、副腎疾患

 

 高血圧症のほとんどは治癒することはなく、脳血管疾患、虚血性心疾患などの合併症を防ぐために生涯治療を継続することが大切です。しかし、高血圧症の約10%では、高血圧の原因を特定できる二次性高血圧があります。二次性高血圧は、特定の原因に対する手術や適切な薬物治療で治癒する例もあります。二次性高血圧の中には、ホルモン過剰が原因となる内分泌性高血圧、肥満の合併が多い睡眠時無呼吸症候群、腎臓のはたらきが低下する慢性腎臓病の頻度が高いです。
「原発性アルドステロン症」は二次性高血圧の中でも特に頻度が高いです。副腎にアルドステロンを過剰に作る腫瘍性病変ができることによる疾患です。食塩を多く摂取すると通常ではアルドステロンは低下しますが、原発性アルドステロン症では低下しないために、重症の高血圧となりやすく、通常の降圧薬の治療でも血圧が下がりにくいです。また同じ程度の血圧値の人と比べて、原発性アルドステロン症では不整脈、脳卒中、虚血性心疾患、末梢動脈疾患などが3~5倍多いことが示されております。原発性アルドステロン症は、自覚症状がなく日常生活では支障がない方がほとんどですが、脳卒中などの合併症が非常に多いです。
当科では、原発性アルドステロン症をはじめとする内分泌性高血圧の診療に重点をおいており、現在までに多数の症例を発見し治療を行っております。内分泌性高血圧の診断は高い専門性が必要で、当科で診断と治療を開始した後に、再びかかりつけの主治医の方での治療を行っていただき、当科とかかりつけ医の両方の主治医をもつことにより、さまざまな合併症を防ぐことが可能となり、医療連携が非常に大切です。

 

2. 肥満症

 

肥満は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症など様々な疾病発症の基盤となる病態であり重大な健康障害をもたらします。肥満を改善することはこれらの合併症を減らすことにもつながり体重の管理は糖尿病、高血圧症、脂質異常症の治療においても大切です。肥満症の治療は食事を制限する食事療法や運動療法が主軸になりますが、それらの療法を進める上で行動療法が重要です。当科で行われている行動療法には日々の体重を定期的に測定記録するグラフ化体重日記や1口30回咀嚼する咀嚼法などがあります。当科で行われているこれらの肥満症治療技法は、オリジナリティーの高い行動療法と国内外から高い評価を受けています。
また肥満症治療においては食事療法や運動療法が主軸になりますが食事療法や運動療法を継続するのは容易でないことも事実です。このような状況で高度肥満症に対する治療法の一つとして、スリーブ状胃切除術などの肥満外科的療法が広まってきています。現在我が国においてもスリーブ状胃切除術は高度肥満症へ保険収載がなされ治療が進められています。当科では消化器・小児外科と協力して高度肥満症における肥満外科とのコラボレーション治療を2005年より始めており、県内はもとより県外より多数の患者さんが来院され治療をうけています。肥満外科治療は、今後の発展が期待される領域であり当科は肥満外科や栄養管理室と協力して術前後の管理を行い長期的な体重コントロールの実践を目差しています。

 

3. 糖尿病

 

 糖尿病は、血糖値(血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度)が病的に高い状態(高血糖)をさす病名です。高血糖の症状には、著しい喉の渇き・大量の尿を排泄する状態、意識障害、昏睡に至るまで様々ですが、病初期ではほとんど無症状です。無症状でも血糖値やヘモグロビンA1c値が基準を超えている場合を糖尿病と診断されます。糖尿病は高血糖による症状を起こすこともあるほか、長期にわたると、体中の微小血管が徐々に破壊され、様々な臓器に重大な障害(糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症の微小血管障害)を及ぼす可能性があり、糖尿病治療の主な目的は合併症を防ぐことにあります。糖尿病患者の90%は2型であり、より早期から適切な治療を行うことで合併症の進行を抑制できます。
当科の糖尿病診療では、病型・病期に応じた最適な血糖コントロールを行うとともに、神経伝導速度・自律神経検査・尿中マイクロアルブミン検査・頚動脈超音波検査・血圧脈波検査などにより総合的な合併症の評価を行っています。虚血性心臓病・脳血管障害・糖尿病網膜症に対しては専門診療科と連携して適切な治療を提供しています。透析につながる腎症については、当科腎臓グループと連携し、適切な管理を行っております。1型糖尿病については、最新のインスリンポンプ治療を導入し、患者さんのニーズに合わせた治療を提供しています。
さらに当科では、医師を中心に看護士、栄養士、薬剤師と連携した治療を提供しています。病気への理解や予防意識を高める活動としては、糖尿病教室の実施、外来でのフットケア指導、糖尿病透析予防指導を実施しています。

 

■二次性高血圧、副腎疾患

 

原発性アルドステロン症など副腎疾患による二次性高血圧では、脳梗塞、慢性腎臓病、心肥大などの合併症が多く、高血圧全体の約10%を占めます。手術や適切な薬物治療で治る例も多く、世界的な評価を得ております。

 

>>患者さまへのお知らせ(重症型原発性アルドステロン症の診療の質向上に資するエビデンス構築)

 

■肥満症治療における行動療法の実践

 

メタボリックシンドロームを合併した肥満糖尿病患者に最適な治療法は、肥満を是正することにつきます。当科は肥満症の治療技法として、オリジナリティーの高い行動療法を実践しており、国内外から高い評価を受けています。

 

■高度肥満症における肥満外科とのコラボレーション

 

当院の肥満外科は高度肥満症の外科治療のエキスパートであり、西日本地区から多数の患者が紹介されてきます。
当科は肥満外科と栄養管理室とともに術前術後管理を行い、長期的な体重コントロールの実践を目差しています。

 

 

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