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福田顕弘医師が、アメリカ腎臓病学会にて発表を行いました。

第50回アメリカ腎臓学会が2017年11月2日~5日にニューオリンズにて開催され、参加して参りましたので報告いたします。


アメリカ腎臓学会は年に1回、10月~11月にアメリカで開催される学会で世界の腎臓学会で最も大きな学会になります。本年は世界各国より13000人以上の参加者がありました。ニューオリンズはアメリカの南部に位置し、滞在中は最高気温が30℃に達する日もあり真夏のような気候でした。


今回私は「Urinary podocyte mRNA and urinary podocalyxin protein: different excretion pattern between proliferative and non-proliferative glomerular diseases」という演題でポスター発表を行いました。糸球体疾患の活動性や病勢の評価に有用と考えられている尿中ポドサイトですが、我々の行っている尿沈査中ポドサイトmRNA排泄量や尿上清中ポドカリキシン蛋白の定量など、複数の方法が用いられています。これらの違いについての報告はありませんでしたので今回我々は、様々な糸球体疾患でこれらを評価しました。尿沈査中ポドサイトmRNA排泄量はIgA腎症、半月体形成性糸球体腎炎、ループス腎炎IV型で増加する傾向にあり、尿上清中ポドカリキシン蛋白排泄量は膜性腎症、ループス腎炎V型で増加する傾向にあるという結果でした。つまり、尿沈査中ポドサイトmRNA排泄量は増殖性腎炎(podocyte detachmentの強い症例)、尿上清中ポドカリキシン蛋白排泄量は非増殖性の腎炎で増加している傾向にあり両者を区別することができるのではないかと結論付けました。多数の方から多くのコメントをいただき大変勉強になりました。


今後も海外の学会に積極的に参加し、最新の情報を得、世界各国の臨床・研究者との情報交換を行い、臨床に繋がるような研究を続けて行きたいと思います。

2017.11.12 腎臓内科 福田顕弘